季節のStory特別版②「メンタルへルス強化お役立て情報」対象者:全社員
新入社員研修、コミュニケーション研修、コーチング研修、リーダーシップなどで活用 (2013年3月30日投稿)
今回は、新入社員研修で、ぜひ“覚えておいてほしいお話”、悩んだときに“指針としてほしいお話”を紹介(中には眠気覚ましに語るお話もありますが)いたします。さて、その1回目は、『朝日新聞』(2013年3月29日社会面)でもカラー写真入りで紹介された「天敵投入 イワシ身が締まる」からです。
‶活〟を入れるためにイワシの泳ぐ水槽に天敵クロマグロを投入した名古屋港水族館
3万5千匹のマイワシが泳ぐ名古屋港水族館の黒潮水槽に、天敵のクロマグロ11匹が投入されました。群れをつくって身を守る習性のはずが、群れから離れるマイワシが出始めたためでした。満腹状態で放たれたクロマグロはマイワシに襲いかかることはありませんが、それでもマイワシ君たちには緊張が走ったようで、いつもと違う群れ方で、泳ぐスピードも速くなりました。
イワシを長生きさせるための、昔の漁師の知恵(※1)
昔の漁師は獲ったイワシをできるだけ新鮮に持ち帰るために、イワシの天敵でもあるヒラメを水槽に入れたといわれています。水槽にイワシだけが入っていると、「イワシはだれて次々に死んでいってしまう」のに、ヒラメを入れられることで、「イワシは、ヒラメにいつ襲われるかわからないという緊張感を保ち、その結果、長い間生きている」のだそうです。
すべてのものは内部に挑戦的状況をもっておかなければ個人、組織を問わず衰退する
イギリスの歴史家として名高いA・トインビーは「安定の中で、挑戦する精神が失われると、あなたは内部崩壊してしまう。すべてのものは内部に挑戦的状況をもっておかなければ個人、組織を問わず衰退する」と言っています。このイワシのお話は、そのままあてはまりますね。しかし、緊張感がないと、勝手に群れを離れたり、だれたりするのはイワシだけではありません。
体罰を奨励するつもりは毛頭ありませんが、ある程度緊張感のある日常を送らせないと、成長が阻害されます。「水につけただけのジャガイモはふやけて腐り始めるが、水の中でザルを強くゆすったり、両手で手荒くかき混ぜたりすると、泥がきれいに落ちる。イモが新しいほど皮に皺がないので泥が落ちやすく、ツルツル、ピカピカになる」と語る人もいます(※2)。
磨き始めるのは、早ければ早い方がよい。新人研修はその第一歩
人の才能や感性も磨かれないと光ることはありません。それどころか前段のお話のように、磨くことを怠たっていると、いつの間にか腐ってしまう危険性があります。そして磨き始める時期は、少しでも早い方がよいのです。なぜならば、皺に入り込んだ泥が落ちにくいように、一度しみついた習慣や思考回路を変えるのには大変な努力が必要となるからです。
※1:『クリエイティブ・シンキング』(松林博文著/ダイヤモンド社)
※2:『絆が生まれる瞬間 ホスピタリティの舞台づくり』(高野登著/かんき出版)