【Story研修・特別版

「マーケティング・その他」の話題から(2016 年9月 22 日投稿)

エドワード・デボノ博士が提唱した「水平思考」とは 発想法(1)

9⽉初旬に起業を目指している⼥性向け(既に起業している⼈も含む)セミナーで2講座担当させていただき、そのうちのひとつが「発想法」でした。これまで読んだ関連書籍やメモをすべて⾒直すという、にわか仕込みの登壇でしたが、意外にも好意的な反応をいただきました。そこで、今回から自らのおさらいの意味も含めて「発想法」について書いてみます。 


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ロジカル・シンキングとラテラル・シンキングはどう違う

思考法・発想法については、論理的思考といわれるロジカル・シンキングと、エドワード・デボノ博⼠の約 50 年前の著作『⽔平思考の世界』を源流とするラテラル・シンキングに⼤別することができるでしょう。前者が思考法に適しているとすれば、後者は多様化した現代の発想法向きかもしれません。まずは「水平思考」から

『水平思考の世界』より

昔、⼀⼈のロンドンの商⼈が、ある⾦貸しから莫⼤な借⾦をして困っていた。もし借⾦が返済できない時は、監獄に放り込まれるという時代である。年⽼いた醜い⾦貸しは、その商⼈の美しいティーンエージャーの娘に目をつけて、ある取引を提案した。もし娘をくれるなら、借⾦を帳消しにしてやろうというのである。

途⽅に暮れる商⼈と娘を前にして、⾦貸しは運を天に任せようといって⼀つのくじを作った。⼤きな空のさいふの中に⿊⽩2つの⼩⽯を⼊れるから、娘にその⼀つをつかみ出せといった。もし娘が⿊い⽯を選べば、娘は⾦貸しの妻となり借⾦は帳消しにする。また白い石を選んだ時は、娘はいままで通り父親と一緒に住んでいてよく、借⾦も帳消しにしてやろうというのである。

娘が石を選ぶのを拒めば、父親は監獄送りとなり、娘はたちまち食べていけなくなってしまう。商人は仕方なしにこれに同意した。そこで⾦貸しは、三⼈が⽴ち話をしていた商⼈の庭の、⼩⽯を敷き詰めた⼩道から、⼆つの⼩⽯を拾ってきてさいふに⼊れた。ところが、娘は⾦貸しがさいふに⼊れた⽯が⼆つとも⿊い⽯だったのを、目ざとく⾒つけて、思わずゾッとしてしまった。⾦貸しは父親と娘に運命を決める石を選べといって容赦なく迫った。 

こうした事態で、もしあなたが不運な娘だったら、どうするだろうか︖また、もしあなたが娘に何か助言できるとしたら、何といってやったらいいだろうか︖このような場合どんな思考法をすればよいだろうか︖

※参考⽂献︓『⽔平思考の世界』(エドワード・デボノ著/講談社/昭和 44 年刊)