【Story研修・特別版

「マーケティング・その他」の話題から(2013年12月5日投稿) 

『若草物語』に描かれた感動的なクリスマスプレゼント

南北戦争中だから今年はプレゼントをなしにしましょう、との⺟親の提案に4⼈の姉妹は同意します。そしてクリスマスの朝、彼⼥たちは、それぞれの枕の下に⼊っていた唯⼀のプレゼントである聖書を読みながら、朝早く出掛けて⾏った⺟親の帰りをお腹を空かせて待っていました。ところが、戻った⺟親が最初に発したのは・・・


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あなたたちの朝御飯を、クリスマスプレゼントにしてくれないかしら︖(※1)

「クリスマス、おめでとう。(略)家からあまり遠くないところに、貧乏な⼥の⼈が、⽣まれたばかりの⼩さな⾚ちゃんを抱えて寝ています。その人には他にも6人子どもがいるのですけれど、薪がないので、その子たちは凍えないように、1つのベッドで抱き合っています。⾷べるものもありません。(略)

ですから、あなたたち、この朝のご飯をクリスマスのプレゼントとして、その⼦たちにあげてくれないかしら︖」。いつもの朝御飯より1時間も遅かったので、みんなひどく空腹だった。すぐには誰も返事をしなかった。が、それもほんの⼀瞬のことだった。ジョーが勢いよく叫んだ。「⾷べ始めないうちに帰ってきてくださってよかった!」

姉妹の「⼈を思いやる⼼」は、この⺟親なくしては考えられません。きっと、彼⼥はいつも笑顔を絶やさず、戦場のご主⼈の分まで愛情を注いで⼦どもを育ててきたのだろうと思います。⼦どもたちの賛同を得て、彼⼥の笑顔はさぞ輝いたことでしょう。

そして、今回の最後は、『人を動かす』からもう一つの「クリスマスの笑顔」です。 

「クリスマスの笑顔」(クリスマス・セールのデパートの広告から)(※2) 

元⼿が要らない。しかも、利益は莫⼤。与えても減らず、与えられた者は豊かになる。⼀瞬間⾒せれば、その記憶は永久に続く。どんな⾦持ちもこれなしでは暮らせない。どんな貧乏⼈もこれによって豊かになる。家庭に幸福を、商売に善意をもたらす。友情の合⾔葉。

疲れた者にとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむ者にとっては太陽、悩めるものにとっては自然の解毒剤となる。買うことも、強要することも、借りることも、盗むこともできない。無償で与えてはじめて値打ちが出る。 

クリスマス・セールで疲れ切った店員のうちに、これをお⾒せしない者がございました節は、恐れ⼊りますが、お客様の分をお⾒せ願いたいと存じます。笑顔を使いきった⼈間ほど、笑顔を必要とするものはございません。

※1︓『名作に描かれたクリスマス』(若林ひとみ著/岩波書店)

※2︓『⼈を動かす』(デール・カーネギー著/創元社)